Wabi Sabi / in Konseki Trace

取捨選択が迫られる現代の日本社会。この服を買おうか買わないか、今夜は人知れずビールでも呑もうか、たまには休肝日としておこうか。些細な選択から人生を変える大きな選択まで...日々取捨選択に迫られている。追われず、迫られず、時には追い越してみたいものです。ワードローブから今日着る服を取捨選択するのは、私たちファッションピープルにとっては1日の大仕事のひとつである。しかしながら、FOMEが扱う洋服達は一癖二癖ある。もっと自由気ままに緩やかな思考で選択できるデザイナーズウェアはないのだろうか。


真っ先に思い浮かべたのがZucca。88年ブランドスタートと同時にパリコレデビューを果たし、怒涛の80年代を駆け抜けた日本を代表するファッションブランド。90-00年代の『Purple』や『i-D』なんかにも衣装として頻出しており、最近だと2018年に、エレン・フライスにレティシア・ベナ、ジアスコ・ベルトリ、鈴木親etc...段違いのメンツを参加アーティストとして呼んだ伝説的なフォトエキシビジョンを開催していたりする。ここからも理解出来るよう、90-00年代のインディペンデントカルチャーにZuccaは必要不可欠な存在でありシーンと密接に関わり合う数少ないブランドであることは確かだ。






インポート気質なエッジーでファッショナブルなデザインとは相反した節々に垣間見える”謙虚さ”。個人的な解釈としてはZuccaにはそう言った”侘び寂び”とでも言い表そうか、日本人特有の美的感覚、美学を要所要所から感じさせる。飾り気が全く持って無い訳ではないが、着る人の空間にある種の趣を与える。 故に、着る人の心の動きに対応したデイリーウェア。コズミックワンダーとは近しい存在でありながら全くの別物として捉えたい。






洋服が欧米スタンダードであることは否応もない事実ですが、日本人としてどのように解釈して落とし込むのか。約半世紀経った今、ここにきて三島由紀夫の言葉が浮き彫りになるように思います。私自身、欧米の文学は大好きなのですが欧米小説は、日本語で読む場合第三者の翻訳というズレが介入しますので、どうしてもプレーンな解釈が出来ない。それに比べ、やはり母国語で綴られた文章はそういったラグが生じにくい。日本人には日本人にしか理解しづらい情緒的で繊細な感覚がある。Zuccaには”それ”が十二分に備わっているよう思う。





痕跡トレースでのポップアップに向けて着々と集め続けました。しかしながら母体数が多いということもあり、全部が全部を良しとせず90-00年代ドンピシャ当時(メンズラインであるCabane de Zucca)のものを抽出、抜粋。そこに関しては一切妥協を許さず媚びずに取捨選択を繰り返しました。結果、数を集めることは出来ませんでしたが少数精鋭が集結。


今回ポップアップをさせて頂くトレース痕跡周辺も歴史的な建造物、古民家が立ち並ぶ風情のある街並み。都市部の暮らしには無いローカルな繋がりを意識する土地。Zuccaが良く似合う事でしょう。美容室の予約がない方もご来店頂けます。京都の観光がてらにフラッと夏服でも探しに寄ってみて下さい。


POPUP SHOP at 痕跡TRACE


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7/17(土) - 23(金)・祝

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イイダリョウタ